(第55回日本林学会関東支部大会講演要旨集,p.37,2003,日本林学会関東支部)

                                 
  分解性シートを用いた松くい虫被害材のくん蒸処理
 
野澤彰夫(栃木県林業センター)   
 
  松くい虫被害材のくん蒸処理用に開発された分解性シートを用いて処理を行い,その性能を確かめるとともに,シートが分解される状況を観察したので,その結果を報告する。
  無漂白紙に生分解性プラスチックをラミネート加工して作成されたシート(商品名:ミクスト)を用いて,カミキリ発生前の十分気温の高い5月に,NCSによるくん蒸処理を,薬剤濃度を減じて(0.5・0.25・0.125l/m3)実施したところ,いずれの濃度でも十分な殺虫・殺線虫効果が得られた。また,処理後,シートを被覆状態及び草の上・土の上・軽く土かけ・土に埋めるの5種類の形態で2年間放置し,劣化状況を観察したので報告する。なお,薬剤の減量及びシートの分解・自然への還元をすることで,環境負荷減少に寄与するものと考えられる。
 
                                       
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