(第97回日本林学会大会講演要旨集,p.108,1986,日本林学会)

                                 
  誘引剤によるマツノマダラカミキリの誘殺効果
           −マーク虫放虫による効果調査−
 
o野澤彰夫・横溝康志(栃木県林業センター)   
 
  誘引剤による誘殺効果を評価する手法として、マーク虫を放虫し、再捕獲する試験を実施して来たが、種々手法を改良した結果、比較的良い再捕獲率を得たので報告する。
  試験地は2ha余の22年生アカマツ平坦林で、前年被害は、1.8%であったが、全木伐倒焼却し、全面下刈りをした。誘引基はホドロン式とし、14基を4〜5m高に、うっ閉した位置を避けて設置した。さらに、殺虫剤併用方式(周囲樹冠にMEP乳剤を散布し、白布で落下虫を受ける)を8箇所(従来のホドロン式誘引器4箇所、大型容器誘引剤4箇所)設定した。カミキリへのマークは、脚のたい節下面に付けた。マーク虫は7/16、7/23、7/30に、合計660頭を11地点から放虫した。再捕獲虫数等の調査はできるだけ毎日行った。
  これらの結果、放虫数に対する単純再捕獲率は、第1回放虫が21.8%、第2回及び第3回が15.5及び18.6%で、全体では18.6%であった。性比は、ホドロン式では雄の方が多く、殺虫剤併用方式では雌の方が多かった。

マツノマダラカミキリ、マーク虫、誘引剤、誘殺効果
 
                                       
学会等での発表目次へ
Copyright (C) 2007 akichan.n., All rights reserved.