(第52回日本林学会関東支部大会講演要旨集,p.34,2000,日本林学会関東支部)

                                 
  建設中のスギ大断面集成材を加害したキクイムシ類
 
゜野澤彰夫・横溝康志(栃木県林業センター)   
 
  スギの大断面集成材を用いて建設中の木造建築物において,キクイムシ類の加害を受けたという相談があったため,調査をしたので報告する。
  被害地は粟野町入粟野で,標高 800m程度のスギ・ヒノキ人工林に囲まれ,霧が出やすい所である。この建物は5月8日から大断面集成材の建方を始めたが,6月初めになってキクイムシの被害に気がついた。加害していたキクイムシを採取したところ,ハンノキキクイムシ,ヒノキノキクイムシ,トドマツオオキクイムシ等が見られた。ぐずついた天気が1週間ほど続いたため,乾燥材であった集成材が水分を多く含み,キクイムシに好適な条件になったことと,キクイムシの発生時期が重なったために被害を受けたと考えられる。
 
                                       
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